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【輝く女性ランナー】VOL.3 有間由佳さん⑩

< 第十話 > スイス行きを懸けて                       

 有間由佳<第九話>を読む


スイス行きを懸けて!~24時間走への挑戦~


2010年9月、有間由佳(敬称略)は憧れのスイス行きの切符を掴むべく『神宮外苑24時間チャレンジ』へ出場した。

まず始めに、彼女が挑戦した『神宮外苑24時間チャレンジ』の概要を説明しておこう。
この大会は、一周1325mの神宮外苑周回路をコースとし、朝9時のスタート後は反時計回りに24時間走り続け、翌朝9時までに走った距離を競うという競技である。
そして、24時間走世界選手権(2011年はスイス開催)の日本代表選手選考会を兼ねていた。

スタート地点には計測機器と大会本部、エイドステーション等があり、1周毎に立ち寄り補給をすることができる。また、休むこともテントで寝ることも自由だが、立ち止まったら距離は1mmも進まないので上位選手は歩きながら食事をし、どうしようもない睡魔に襲われたら3分だけ寝るなどして少しでも距離を稼ごうと足掻く。他にも24時間走の大会はあるが、神宮外苑24時間チャレンジが他の大会と違うのは、競技色が強く、補助行為が禁止な点だ。唯一補助行為ができるハンドラー(選手専属のサポーター)は登録制であり、ハンドラーにも様々なルールが決まっている。

ハンドラーがいるとかなり心強いのだが、24時間付き添ってもらう方が気を有間さん第十話-1.jpg
遣ってしまうと、有間はハンドラーなしで挑んだ。応援には、母と姉が東京観光を兼ねて来てくれたが、スタートを見送ってから二人は観光に行ったため、周りに知り合いが一人もいない中で有間の孤独な戦いは始まった。

有間に戦略はなかった。24時間走の走り方なんて周りの誰に聞いても分からない。競技として24時間走をしているランナーは全国でも数少ない狭い世界だから仕方がないことだ。

有間は、スタートすると1キロ4分20〜30秒ペース、彼女にとってはジョグペースで気持ちよく走ったという。

ほとんどの参加者が1キロ6分前後のペースで走る中、彼女のそのペースは際立って速かった。一周1325mの周回路であるから、次々に他出場者を周回遅れにしていく。今こうして原稿を書いている私(筆者)も数え切れないくらい周回遅れにされたことを思い出した。

有間さん第十話-2.jpgのサムネイル画像有間は、レース中のことを振り返った。

「普通のレースよりペースが遅くていいんだと、心身共に負担がなく気持ちよく走っていました。休憩もテントで1時間くらい休む気満々だったので、買っておいた楽しみのパンやデザートを食べ、テントで何度か休んでいました。その度に大会側の方がどこか怪我でもされましたか?と心配しに声をかけにきてくれました。優しいな~と思っていましたが、他の上位の選手は距離を稼ぐために休憩や食事でも歩いて距離を稼いでいたことに徐々に気がつきました。けれど、あんまり気にせず、12時間で100キロ以上走っていたのでヨシヨシと思っていました。

しかし、30℃前後ある暑い日で、加えて、一度に走ったことがない距離を走ったことから足底を痛め、もう足がつけないほど激痛が。とにかく200kmまではいかないと(福岡からの)航空券代がもったいないし、スイスは行きたい、と残り40kmを諦めずに周回を重ねました。特に夜中の3~4時頃は、今まで感じたことない危険な空気を感じました。人間はこの時間は起きて活動してはいけない時間帯なんだなと実感しました(笑)。そして、何とか23時間時点で200キロ超えを達成。膝も曲がらないし、もう動けない、とそこで終了。2位は確保してスイス行きも内定だろうと確信しましたが、その時はもう走りたくないと思っていました(笑)。」

そして、有間は200.226キロを走って2位となり、見事、2011年の24時間走世界選手権・日本代表内々定を勝ち取ったのである。しかし・・・


< 第十一話へつづく >

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