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【トレイルランナー】上田瑠偉さん①

 < 第1話 >


2014年10月12日(日)、日本山岳耐久レース(ハセツネカップ)のゴール地点にいた大会関係者、取材陣および応援者に衝撃が走った。2013年大会で東徹選手が7時間19分13秒という驚異的な大会記録で優勝したが、そのタイムを18分も上回る7時間01分13秒というその場にいるすべての関係者の想像を超えるタイムで上田瑠偉(うえだるい)選手(Montrail / MountainHardwear)(以下 敬称・所属とも略)がゴールに飛び込んできたのだ。

日本山岳耐久レース(通称:ハセツネ。以降「ハセツネ」という)とは、上田さん2_1.jpg
東京の奥多摩山域を走る総距離71.5キロ、累積標高差4582mの山岳レースである。コースは、あきる野市・五日市中学校をスタートし、今熊山の急登や、峰見通りなどきついアップダウンを繰り返して22.66キロ地点にある第一関門の浅間峠をまず目指す。

そして、前半戦の目標地点となる三頭山を目指し、スタートから42.09キロ地点の第二関門の月夜見第2駐車場を目指す。そこからは後半戦になるが、御前山、大岳山を越えて第三関門の御岳山・長尾平はスタートから58キロ地点である。そして、日の出山、麻生山の登りを過ぎると、金毘羅尾根を下り五日市会館のフィニッシュ地点を目指すのだ。

制限時間は24時間と長いことから完走率は比較的高いが、トップランナーは7時間前半でゴールに飛び込む。今では、国内でUTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)等の160キロを超えるレースも開催されているが、ハセツネの注目度は非常に高くレベルも高い。

私(筆者)はランナーリレーで紹介中であった有間由佳さんの応援をするためにハセツネ会場に行った。13時ちょうどのスタートを見送り、何箇所か回ってから優勝者のゴールを見ようと前年の優勝タイムより10分程早い20時5分くらいにゴール地点に到着した。すると、何やらゴール地点が騒ついていたのだ。何が起こったのかと周りの方に聞くと、既にトップランナーがゴールしたという。そして、ゴール会場に入ると上田がイスに座ってインタビューを受けていたのだ。その時の上田の表情は、とてもこの厳しいコースを走り終えてから数分のランナーには見えなかった。まだ走れるような余裕のある表情でインタビューを受けていたのだ。残念なことに、私は大会史上最高の瞬間、いやトレイルの大きな転換点となる決定的な瞬間を見逃してしまったのである。

レース結果やレース展開は既に様々な媒体に掲載されているのでトレイルランに興味を持っているランナーの多くが知っているであろうが、ランニングタウンでは、違う観点からこの「上田瑠偉」を紹介していく。ただし、このハセツネ大会記録の走りについては、これまでトレイルランに興味のなかった方々にも是非知っていただきたいので、まず上田のインタビューを掲載する。

上田さん8.jpg「優勝は意識していました。しかし、レース直前の水曜日に自転車で転倒し膝を強打し、二日ほど歩き方もぎこちないくらいの状態になってしまいました。大会前日に軽く走っても膝が突っ張る感じがしたので、苦肉の策で大会当日、普段はしないテーピングをしました。このような状態でしたが、優勝するために考えた戦略は、昨年脚が攣ってしまった三頭山付近はペースを抑えて攣らないように気をつけ、第2チェックポイントは先頭が見える位置で通過。第3チェックポイントを先頭と5分から10分差で通過できれば、ラスト10キロで逆転できるというプランでした。

ただ脚への不安もあり、優勝するか途中棄権するか、一か八かの勝負になると覚悟していました。
しかし、いざ走ってみると、膝の違和感はなく、むしろ数日休んだお陰か快調に走れました。課題だった三頭山も落ち着いてクリアしました。三頭山の下りから少しスパートして後続を引き離しました。余裕を持って第二チェックポイントに到達。

第3チェックポイントに着いたときには、第2チェックポイントのときと疲労感は変わらないくらい調子は良かったです。この時点で大会記録より11分ほど速かったので、ラストの下り基調のセクションは転倒しないよう足元に気を付けながらラストスパートをかけゴールしました。

ハセツネは一番取りたかったタイトルです。ここを制した人が海外でも活躍されているイメージがあり、また昨年優勝された東さんは、その後の雑誌を中心としたメディアへの露出が高く、やはりそれだけ価値のあるタイトルだということで絶対に欲しかったです。また、男子では春のハセツネ30Kと同年で両方優勝を成し遂げたランナーはいないと聞いていたので、その点も意識して走りました。」

< 第2話へつづく >

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