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【ウルトラランナー】VOL.2 大島康寿さん⑪

 < 第11話 >

大島康寿<第10話>を読む


大島は、初めてのスパルタスロンを27時間台という素晴らしいタイムでゴール大島さん16_1.jpg
した。一般のランナーは42.195キロのフルマラソンを走った翌日は、身体中が痛く歩くこともままならない。大島はその6倍近い距離を一度に走ったのだから想像を絶するダメージが体に残り、しばらくは走ることを考えるだけで嫌になるだろう。

しかし、大島はレオニダス像の足元にゴールした瞬間から次のレースのことを考えねばならなかったのである。驚くことに大島は、スパルタスロンを走った2週間後の10月15日に開催された神宮外苑24時間チャレンジにエントリーしていたのだ。

そして、彼はスパルタスロンゴール後から疲労抜きに徹し、驚異的な回復力で神宮外苑のスタートラインに立ったのである。

大会は、同じくスパルタスロンを走った境祐司選手が序盤から快調に走りリードを奪ったが、大島は自分のレースを心がけ序盤は抑えて走った。中盤から、疲労により休憩が目立ち始めた境選手を大島は抜きトップに躍り出たのだ。この段階で、上位2名は2週間前にスパルタスロンで246キロ走った選手が占めたのだから、ウルトラランナーの強靭な身体と精神力には驚かされる。しかし、一度はトップを走っていた大島も徐々に疲労が出始め、過去に優勝経験のある本田正彦選手や古北隆久選手に抜かれ優勝争いから脱落してしまう。それでも、粘りの走りで24時間経過時には245.933キロに到達し、3位に入ったのだ。奇しくも2週間前に走ったスパルタスロンの距離とほぼ同じ距離を走ったのだった。

大島に、スパルタスロンを走ってから神宮外苑24時間チャレンジまでの調整について聞いたところ、こう答えた。
「スパルタスロンを走ってから1週間は完全休養にしました。スタミナは心配ありませんでしたが、筋力の低下が心配だったので大会までの1週間は10キロ程度走りました。ペース走やWS(※ウィンドスプリント)などは一度も入れませんでした。ストレッチや長めの入浴で血流を良くしようと考えていました。」

大島さん13_1.jpgのサムネイル画像大島の話は、246キロのレースを走って2週間後に再び246キロ走るという想像を絶する話であるが、一般のランナーでもフルマラソンを走って2週間後にフルマラソンを走ることはある。距離は6倍近く違うが、参考になることはあるだろう。

一般のランナーの場合、走り終わったマラソンの疲労を抜くことよりも、次のマラソンに向けて更に速くなろうと強度の高い練習をしがちであるが、疲労が抜けないまま強度の高い練習をすることでさらに疲労は溜まってしまう。それではスタートラインに疲れた状態で立つことになり、良い結果は望めない。また、痛みがあるのにその痛みをおして走ったら故障に繋がってしまう。

そもそもフルマラソン走った2週間後にフルマラソンを入れるランナーは体に自信があるのだろうが、2週間という限られた時間は極力疲労を抜く方向に振り向けたほうが良い結果に繋がりやすいだろう。245.3キロ走った大島が1週間の完全休養で疲労が抜けたのかは疑問が残るが、この完全休養により筋肉繊維は超回復し神宮外苑24時間チャレンジの走りに繋がったのだ。

< 第12話へつづく >


 ≪ランニング用語解説≫E181_3.jpg

 ■WS(ウィンドスプリント)・・・
  100m前後の距離を全力の7~8割の力で繰り返し走るトレーニング方法。
  ※ご参考 ウィンドスプリント走でスピードを強化する(RUNNING SCHOOL+Q)

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