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輝く女性ランナーVOL.10 湯川千穂 ➅

<第6話> 新世界の扉~五感ランニング~

脚の痛みで思うように走れなくなった湯川は、職場の上司に診てもらい『グロインペイン症候群』と診断される。グロインペイン症候群とは、鼠径部痛症候群と呼ばれ、股関節・骨盤・恥骨・鼠径部における障害・病変である。落ち込む湯川の心とカラダを救ったものとは何だったのか!?


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走れない日々

もちろん、湯川も知っている症状名。この診断を受けた湯川は、目の前が真っ暗になる。グロインペイン症候群は、(サッカー選手に多い)腰部周辺の複数のケガの総称で、安静が一番とされる。数日で治る場合もあるし、1ヶ月かかることも、3ヶ月かかることもある。ヒドい場合には、治癒までに1年を要することもある厄介なスポーツ障害なのである。

走れない日々が続いていた。心にポッカリと穴が空いたような無気力感がある。「走ることが、こんなにも私の中で重要な一部になっていた」ことを湯川は知る。どんよりとした曇天の下で暮らすような暗い気分に陥るよう。

マッサージやストレッチだけでは不十分で、アスレチックリハビリテーションが必要とされるグロインペイン症候群。職場でリハビリが可能な環境であったことが幸いする。上司に診てもらってから、1ヶ月ほどで少しずつ走れるようになっていく。

湯川は「自分のカラダときちんと向き合いなさい」という神様の忠告だと受け止めつつも、もう二度とこんな経験はしたくないと思った。それくらい辛い日々だった。

初めての run with Friend

怪我が治癒に向かう頃、「ランニングしているんだね。今度一緒に走らない?」と友だちから誘いを受けた。ランニングは、一人で練習するものだと思い込んでいた湯川は、意外な誘いに驚きつつも「是非!」と答えておく。


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実際にその人と走ってみると実に楽しい。「弾む会話」「共鳴する呼吸」を味わいながら走ると苦しさを感じないのだ。新しいランニングスタイルとの出会いに感激した(気付くの遅くないかい!?)。

このあたりに、湯川が有する根っからのスポーツ根性が見て取れる。湯川は、ストイック精神こそがスポーツだと思っていたのかもしれない。

人との出会いが新たな自分との出会い

人と走るとき、とてもリラックスした自分が出現してくる。変な力みが失くなっていく。精神的にも肉体的にもストレスが減っていくに伴い、湯川のブロインペイン症候群は消失していくのだった。

人と走る楽しさを知ると、湯川のランニングライフが広がり始める。ランニング仲間がどんどん増えていく。SNSでランニング友だちに発展することもある。すると、湯川は、急に周りが見えてくるようになった。自分がどれだけストイックだったかを思い知る。


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自然と情報交換が始まるのだが、それは、湯川自身が変化したからに違いない。湯川が、周囲に発するオーラが人を呼ぶわけである。会話にしろ、SNSにしろ、相手には、湯川の言葉の端々に欲求が感じとれたのだろう。その一生懸命さに、周りも手助けしたい衝動になったのかもしれない。

周りから色んなことを教えられる。みんながどう走っているかを知り、練習方法を学び、時には、一緒にトレーニングする。「インターバルトレーニングやってみないか?」と誘われ、スピード練習を初めて取り入れたのも、この頃だ。

走力の成長

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友だちに教えられ、今までしたことのない練習をするようになった、湯川のランニングが急成長を遂げる。

マラソンで表彰台に上がることが多かったが、以前よりもレベルの高いレースに出ても、表彰台に上がれるようになっていた。前は、話しかけられてもあまり反応しなかった(のかもしれないなあ、と振り返る湯川)。仲間の大切さを知った湯川は、人が好きになっている。当然なことだが、人を好きな人を人は好きになる。

失恋ガムシャラRUNからスタートしている湯川は、孤独の中で新しい自分を見つけることを考えていた。今は、違う。人との触れ合いRUNでこそ、新しい自分に出会えることを知ったのだった。

五感を使ったランニング

人との交流が始まると"走り"の楽しみ方がどんどん変わっていった。山や海、街の景色を楽しみながら走ったとして、お互いがその感想を口にする。「そんな見え方があるんだ」と感受性の違いから、新たな気付きや発見が生まれる。

互いが頑張りを労い、満足いく走りができれば、自然と握手やハイタッチが出る。父親以外に喜びを共有できる瞬間は何にも代え難い。レースへも一緒に出掛けるようになり、退屈な移動ではなくなる。必然的に食事も一緒に摂るだろう。そこには、楽しい会話と溢れる笑顔が存在するのだ。

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ランニングに関わるそれぞれの"瞬間"を、友と同時に共有するようになると、湯川は「五感を使って生きている(走っている)」ことを益々実感していくのだった。

ランニングが湯川の五感を刺激する

そんな"新しい世界"の扉を開いた湯川は、ランニングのさらなる深みに入り込んでいく。湯川にとってのランニングの新世界。今後、どう発展していくのだろうか!?


-続く-

<第5話> 6週連続レース出場の行方
 <第7話> 湯川"らしさ"の価値

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