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輝く女性ランナーVOL.10 湯川千穂 ④

<第4話> ビギナーズラックのその後


失恋ガムシャラRUNで、ランニングの魅力にすっかり引き寄せられた湯川。若潮マラソン大会で初めてのロードレースを経験すると(しかも、初マラソン)、筋肉痛で覆われた疲労困憊のカラダのことなどお構いなしに、湯川の心は、どんどん元気になっていく。化学反応でも起こっているかのように、炎がメラメラと燃え広がり始めるのだった。

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初フルを走った夜に次の目標

今まで経験したことのない苦しみを初マラソンで味わうと、「しばらくは走りたくない」となるのが普通であり、人によっては、「二度と走らない」という気持ちになる場合さえもある。それが準備不足のフルマラソンなのだ。経験者の方には、理解いただけるはず。

つまり、マラソン挑戦を、「自己嫌悪の殻(失恋落ち込み状態)から脱出」と「父への感謝のプレゼント」と考えていた湯川は、フルマラソンを完走することで、達成感や満足感を得て、"完全燃焼"となっても何らおかしくはなかった。だが、湯川は違った。

SNSで、その日のうちに早速投稿している。「微妙な好成績(そこそこ良い結果)が影響した」と憶測している。

「私の前を走る女の人はもっと沢山いたと思ったのに・・」と湯川にとっては驚きの4位入賞を果たす。そのからくりは、20歳代での4位であり、30歳代の女性がたくさん前を走っていたというわけだ。「30歳代の部に当てはめると、私は10位相当。速い女の人がたくさんいてビックリした」としながらも、「ゆっくり父親と飲む今日のビールは格別です(*/∀\*)」「次は3時間20分切りが目標!」とSNSに投稿しているのだ。

初マラソン完走のその夜に、すでに明確な次の目標が決まっている。この人凄いな!?(もしかして、お酒で酔ってた?)この自信回復ぶりは何なのだろう?(笑)。

10kmをやっとジョギングできるようになったばかりだというのに、悔しさに近い感情を抱くところに湯川らしさがある。「根っからのスポーツウーマンである」ことの証なのかもしれない(単なる負けず嫌い!?なのだろうが)。こういった巡り合わせは、落ち込む人間を救う"神様の仕業なのか"と思わずにはいられない(実際は、父親の仕業と言えなくはないが)。例え、それが誰の仕掛けだとしても、「湯川が単純明快な性格であったからこその反応」として、当然の成り行きだったと思えて仕方がない。

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ビギナーズラック

こんな言葉を思い浮かべてしまう。ギャンブルの世界でよく使う『ビギナーズラック』という現象。「欲や雑念が無いニュートラルな状態で臨むから、結果として幸運が訪れる」という認識は正しいはずだ。ニュートラルな状態で臨んだという意味では、湯川の場合も、ビギナーズラックと当てはめてもいいのかもしれない。

マラソン競走のタイムにビギナーズラックは考えにくいが、順位にはある。タイムは絶対評価であるのに対し、順位は相対評価、つまりは、「競走相手次第」になるからだ。

それはそれとして、注目すべきは、当事者のその後。性格や立場で「のめり込む人とのめり込まない人に分かれる」という、その先の話がある。とくにギャンブルは金欲が絡むからであるが、マラソンの場合は、どんな欲求だろう。

欲求段階のステップアップ

ここで、米国の心理学者『アブラハム・マズローの欲求段階説』を引き合いに出してみる。人は、「生理的欲求」⇒「安全の欲求」⇒「所属と愛の欲求」⇒「承認(尊重)の欲求」⇒「自己実現の欲求」と段階を経て、"最終的に自己実現を目指していく"とされている。

う~ん、湯川の場合は・・・? ランニングによって、失恋という極度のストレスから回避し、心身の健康を取り戻すことで生理的欲求が満たされたかもしれない。ある意味、安全の欲求も同時に満たされていた可能性もある。恋人ではないファミリーに属することと父親との家族愛も確認できた。そして、次の段階である「承認の欲求」領域に進んでいくのだろうか。

(そんな分析はどうでもいいのだが)これを機に、湯川は、すっかりランニングにのめり込んでいく。「まずは、自分で大会に申し込んで出場してみよう」と考え、5月のハーフマラソンに申し込んでみた。

湯川は、一人で練習を続けるも、ただただ走っただけだった。それでも、5月のハーフマラソン(柏の葉キャンパスマラソン)では1時間36分で走破。またしても、4位に入賞してしまうのである(なんという強さ!?)。

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ランニング熱

フルマラソンとハーフマラソンの違いはあるにせよ、走力の向上も顕著だ。「若潮マラソン(フル)=5分10秒/kmペース」⇒「柏の葉キャンパスマラソン(ハーフ)=4分33秒/kmペース」という伸び率も、3ヶ月間という短い期間を考えると驚異的。

「自分が打ち込めるものを見つけることができた」という確信とともに、「自分は走ることでまた頑張れる」という『前向きな気持ちを取り戻せた』ことが、湯川は、嬉しくて仕方なかった。すると、さらなる欲求が湧いてくる。いよいよ「自己実現の欲求」段階へ突入するというのか!(自分で自分を承認してしまったの!?ちょっと早すぎないか!?)

秋の目標を立てて、大会に臨んでみよう

インターネットで、大会情報を調べる。「さ~て、どの大会に出ようかな~」 湯川は、これがまた楽しくてたまらない。マラソン大会を検索して、大会を選ぶのが帰宅しての日課になっていった。気付くと・・・

知らぬ間にエントリーボタンをクリックしている自分がいる

という恐ろしい状態に!その結果、「6週連続でレースに出場するはめ」に。(おいおい、いくらなんでもやり過ぎだろうよ!?)

ランニング中毒!?そんな言葉も当てはまりそうな勢いで、ランニングに心を奪われていく湯川だった。恋は人を盲目にするとよく言うが、"ランニングは湯川を盲目にする"状態だったに違いない(笑)。

エントリーした大会が6週連続になってしまった湯川は、果たしてどうするのか!?

-続く-

<第3話> フルマラソン完走大作戦
<第5話> 6週連続レース出場の行方

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