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輝く女性ランナーVOL.10 湯川千穂 ②

<第2話>フルマラソン挑戦の裏側


「一緒にマラソン大会に出ないか?」という父親からの打診を受けた湯川は、少し迷ったが、結局は快諾する。テニスしかしたことがない女性が、さて、どうするのか!?(その先の展開が、けっこう面白い!)


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いきなりのフルマラソン挑戦

「父からの誘いには、正直、えっ!と思いましたし、少し迷いました。私は、ランニングで『無になれる時間』を楽しめるだけで、その時は十分でしたから。わざわざ大会に出場しなくても・・・という心境だったかな」が湯川の最初の反応。

どうしようかと返事に迷っていた時のこと。ホームページでマラソン大会の過去の結果を覗いてみると、そこには笑顔でゴールする人々の写真が掲載されていた。ランニングの爽快感に感銘を受け、走る回数や距離が増え続けていた頃だけに、「また違った刺激を受け、新たな何かが発見できるかもしれない」と考え、父親と参加することを決意する。しかし、ここからが湯川ならではの展開。

父親が選んだのは、地元の若潮マラソン(1月末)。人気は高いが、"上り下りの起伏が多いコースなので、初心者には厳しい" と言う人もいる大会。もちろん、それを知っている父親は「一緒に10km種目を走るつもり」で打診したのだが、湯川の行動は予想を超えるものだった。

「私、フルマラソンに出る!」


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-ええっ!といきなりの暴走モード。「こんな娘を父親はどう思ったのか?」とても気になるというものだ(笑)-

決意の理由

湯川は、父親に打診された大会を調べた際、人気のある大会でフルマラソンもあることを知ると、フルマラソンに挑戦してみたい衝動に駆られたのだ。そこには、二つの理由があった。

一つは、自分を好きになるため
失恋をして自分に自信がなくなっていた湯川は、泣いたり、酒を飲んで気分を紛らわしたりする『自分自身がまったく好きになれない自分が出現してきたこと』に、いい加減ウンザリしていたからだ。「誰かに好きになってもらうことなんかよりも、まずは自分自身を好きでいる自分になる」ためのキッカケが欲しかった。"やったことのないものへのチャレンジ" 「これだ!」と思ったそうだ。

もう一つは、父のため
いつも湯川の味方であり、走ることの素晴らしさを教えてくれた父親(=父が走っていなかったら、私も走ろうと思わなかった)の目の前でフルマラソンを完走する瞬間を見せてあげたいと思ったからだ。湯川の父親はハーフマラソンまでしか走っていなかったことも知っていたので、敢えてフルマラソンを選んだ。「いつも心配をかけてばっかりの末っ子だったので、何かを成し遂げる姿を見て欲しい」と思った彼女は、「父親が成し遂げていないフルマラソン完走」で、それを示したかったのだ。

(暴走ではない)想像以上に奥が深い行動(選択)だが、初めてのロードレース参加がフルマラソンとは、無謀なチャレンジであることに変わりない。普通は、父親と同じ10kmに出場するはず。まあ、何かを変えたい湯川の心理を理解できなくもないし、「冒険行為を成し遂げてこそ」と思った気持ちもわからなくもない。(が、君はチャレンジャーだ!)

マラソンに向けて準備したこと

しかし、話を聞いていくうちに、そもそも冒険(相当なチャレンジ)行為だと認識していなかったことがわかってくる。(性格的な単なる勢いだったのか!?)

どんな準備をしたのか? と問うと

「エントリーはしたものの、とくに準備はしなかったので、これではマズイと思って、とりあえず2ヶ月前にインターネットで『フルマラソンを走るには?』で検索しました(笑)」と答える湯川を見て、典型的な「チャレンジを決めた自分の意思に満足し、直前になって不安になり慌てるパターンだ」と思った。自身曰く、「基本的にマイペースなので、直前までは呑気に過ごすタイプ」らしい。

インターネットでは、「半年前から準備!とか、事前にハーフマラソンに出る!とか、30km走を数本走る!」などと書いてあるのを見て、「完全にいまさら状態でした」と笑う彼女には、こちらも苦笑するしかない。

フルマラソン出場を決めても、湯川の『失恋ガムシャラRUN(=彼女の表現)』は20分位のジョギングから増量することはなかった。大会が近づいてくると、さすがに「10kmは走れるようにはしたい」と考えた湯川は、google mapで5km、10kmの距離を計測し、「まずは5kmを走り、大会開催の当月(大会は月末)には10kmはゆっくりでも走れるようにしました」と少しは努力しましたよ!なんて顔で言う(が、そんな練習でフルマラソンを走れるとでも思ってたの!?)。

「あとは根性でなんとかしよう!と決めました(笑)。その頃に流行った『元気があれば何でもできる!』という言葉に後押しされてましたね」と笑って話す湯川であった(何という能天気さ!)。

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驚きの4位入賞

さらに、驚くのは、その結果。こんな乏しい準備(練習)に加え、初ロードレース、初マラソンでありながら、年代別(20~29歳)で4位に入賞してしまうところ。タイムは3時間38分。厳しいコースと初マラソンということを考慮すれば速いが、表彰されるレベルとしては、やや遅い部類(年によって大きく異なり、4位相当は、3時間20分~40分)に入る。能天気な人に、神様は微笑むというのか!? 湯川は、強運の持ち主なのかもしれない。

そもそも、テニスシューズでジョギングしかしていなかった女性がどうしてフルマラソンを3時間半程度で完走できるのか。いくらテニスをしていたとしても、父親と3km走るくらいでゼーゼー言っていたことを考えると出来過ぎ感が拭えない。さぞかし苦しかったことだろう。

どんな思いで、それを乗り越えたのだろうか?


そこにも湯川らしいドラマがあった。

-続く-

<第1話> 「無」になれるランニングとの出会い
☆☆☆
<第3話> フルマラソン完走大作戦

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