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【トレイルランナー】上田瑠偉さん⑨

 < 第9話 >

上田瑠偉<第8話>を読む


上田とのインタビューの中で興味深い話はたくさんあったが、最も伝えたかったのは「彼が高校時代の苦悩を乗り越え、偶然出会ったトレイルランニングで一躍メジャーなランナーになった」というサクセスストーリーではない。

もちろん、18歳の少年には重過ぎる高校時代の苦悩には胸を締め付けられる思いであった。自分より競技力のある選手に指導するのは容易ではない。実際、故障がちの上田より下級生の方がタイムは速かったのだ。
このことは、ビジネスマンに置き換えたらよく分かるだろう。自分はリーダーだが営業成績は不調。自分が指導すべき平社員の後輩たちは抜群の営業成績を上げている。自分が営業しないマネジメントの立場なら指導するのは難しくはないが、プレイングマネージャーの立場だとホント難しい。実際に自分より成績が良いのだから。そんな苦悩を、名門校の中で18歳の少年が経験してきたのだ。


しかし、今回一番紹介したかったのは、読者にとって参考になる話である。早稲田同好会4_2.jpg
このサイトの読者の大半はランナーであり、ランナーにとって参考になる話とは『どうしたら速く走れるか』であろう。

上田は、トレイルランを始めたことでトラックも速く走れるようになった。5000mのタイムは佐久長聖高校時代より1分半以上伸びているだ。

一般にフルマラソンでタイムが伸びなくなったランナーが、ウルトラマラソンやトレイルランニングに舞台を移すことは多々ある。その際によく言われるのが『距離(ウルトラやトレイル)に逃げたら(フルマラソンは)遅くなる』という言葉だ。私(筆者)自身も、ウルトラマラソンを走ろうと思ったときにそう言われた。私は逃げたつもりはなく、チャレンジ精神からであったのでそう言われて悔しかった。

しかし、スピードを出すのが辛くて比較的遅いペースで走れるからという理由でウルトラやトレイルに取り組むのならば、それは距離に逃げたと言われても仕方がないし、フルマラソンのタイムも遅くなるかもしれない。特に、トレイルレースはキツイ登りになると上田のようなトップランナーでも歩く。ましてや一般のトレイルランナーは少々の傾斜でも歩いてしまう。その癖がついてしまうと、ロードでも苦しくなったら歩いてしまうだろう。

一方で、ウルトラマラソンやトレイルランを始めてフルマラソンが速くなったランナーが多数存在するのも事実だ。そのようなランナーに共通しているのは、ウルトラマラソンシーズンであっても定期的にスピード練習を取り入れているのだ。以前ランナーリレーで紹介した永田務選手も、100キロレース前であっても同様の練習をしていると話していた。ウルトラマラソンでは走らないようなペースで練習するのはそれなりの理由があるが、長くなるのでここでは割愛する。

早稲田同好会5_1.jpg上田の高校時代の5000mベストタイムは16分01秒であった。市民ランナーレベルでは速いタイムであるが、高校生でも13分台で走るランナーはいるし、ローカルな市民レースでも15分程度で走る高校生は当たり前のようにいる。また、箱根駅伝で優勝を狙うチームでは10人の大半が13分台というのも珍しくない。

上田の場合は高校時代に故障の連続であったことも原因だが、大学に入学し故障をしなくなった時点でもベストタイムは15分45秒であった。その彼がトレイルランを始めてからタイムがぐいぐい伸び、今では14分26秒で走れるようになったのだ。

< 第10話へつづく >

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