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【輝く女性ランナー】VOL.3 有間由佳さん⑤

 < 第五話 >

有間由佳<第四話>を読む


実業団には進めないと思っていた有間由佳さん(以下、敬称略)に有間さん第五話.jpg
思わぬ通知が届いたのである。

「タイムはダメだめだったが、動きが良かったから1年契約になるけど頑張ってみないか?」

1年契約の契約社員制度は九電工(陸上部)では前例がない初めてのことだったというから、監督は有間の潜在的な素質を見抜き会社を説得したのだろう。
その問い掛けに有間は「頑張ります」と即答し、九電工で走ることを決めた。そして、契約社員として入社した有間は陸上部の寮に入って通常の仕事をしながら一生懸命練習したという。

しかし、大学時代の陸上部はみな仲がよく楽しい学生生活であったのが、走ることが仕事であり、結果がすべての厳しい世界に足を踏み入れたのであるから大きな衝撃を感じていた。

実業団は、「大卒=即戦力」としての力を求められるが、同期入社やチームのメンバーは自分よりほとんど年下でありながらレベルは遥か上であった。そのような状況であるから、大卒入社の自分への厳しい目はプレッシャーになってきた。

当時の練習はこのような感じであったという。

朝練は毎日、合同の朝練は週3回行われた。寮から大濠公園までの4キロを各自のペースで走って集合した後、一周2キロのコースを1キロ4分のペースで4周。そこからまた寮まで4キロ走って帰る合計16キロの練習であった。
1キロ4分のペースは実業団選手にとっては朝飯前のジョッグであったが、当時の有間由佳にとっては決して楽ではないペースであり、最初は2周だけしかついて行けずに周囲から冷たい視線を浴びたという。

そして、朝食を食べてから出社し、月曜日と水曜日は12時まで、火・木・金曜日は15時まで仕事をしてから午後の本練習となる。本練習の内容は主にこのような練習であったという。

 月曜日) 脚作りのためにゴ ルフ場でクロカン5kコース×4周の20キロ
        (1キロ4分ペースからビルドアップ)

 火曜日) ポイント練習
       *400m×12~15本インターバルの場合
 
       Aグループ 70~72秒、 Bグループ 72~74秒(つなぎ 100m 25~30秒)
       *1000m×5~7本インターバルの場合
        Aグループ 3分10秒、 Bグループ 3分15秒(つなぎ200m)

 水曜日) 各自ジョグ(70~90分)

 木曜日) 大濠公園集団走 12~16キロ(1キロ4分ペース)

 金曜日) ポイント練習  スピード練習か12~16キロペース走(3分35秒~3分10秒へビルドアップ)

 土曜日) 油山2時間走、またはロングジョッグ

ポイント練習のインターバルでは、Bグループの設定でも2~3本しかついて行けず、監督から「離れるな~!!」と怒鳴られていた。この練習でついて行けないのはほとんど自分だけであったというから、有間がいうレベルが違う世界に入ってしまったというのは大袈裟な話ではなかったのだ。

有間さん第五話TOP.jpg有間は当時をこう振り返る。

「ほんとに毎日怒られました(笑)。新入社員は基本高卒、大卒は即戦力の世界であるが自分は練習にもついて行けない。同期やチームメイトはほとんど年下なのに、みんな自分より速い。特に午後にポイント練習が控えた日の午前中は、仕事をしていながらもとても憂鬱でした。また、会社の中に陸上競技部という部屋があり、監督に呼ばれると今日は何を怒られるのかといつもビクビクしていました(笑)。入社した瞬間に違う世界に入ってしまったと感じ、1年もたない、すぐに辞めたいと思ったけれど、自分からお願いして入ったので言えなかったです。

練習後にリラックスできるはずの寮でもリラックスできなかった。特に最初は太っていたのでお風呂では人に合うのが恥ずかしく、お金をもらっているのに太って走れないのは問題外であるとひしひし感じていた。練習後はプールに行くと決め、毎日通った。ポイント練習さえばっちりこなせば夕食後はゆっくりできるし監督も何も言わない。しかし、走れなかったり故障すると夕食後もジムやプールに行かないといけない。

早くこの状況(立場)から脱出したいと思い、最初の頃は常に動いていました。ポイント練習がしっかりできるようになると夕食後の時間はゆっくりできて最高でした(笑)」



< 第六話へつづく >

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