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弛むことなき旅路の果て 吉田香織に送るレクイエム⑦

yoshiada_title_2.jpgのサムネイル画像<第6話> ① 吉木の作戦


残されたパズルの1ピース

時計の針を「創芸社に入社して間もない頃」へ再び戻すとしよう。

昨年の秋からトレーニングを開始した吉田は、"クラブの渡り歩き練習"を継続しながら、順調に体力を戻していた。仕事とランニング、そして、仲間との会食、充実した日々が過ぎていく。

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「幸せなはずなのに・・・」 何となく、パズルのピースが足りない感じがしてならない。完成に近づくパズルをボンヤリと眺めているような、モヤっとした感情が膨れていく。吉田は、この"パズルが完成しない" 訳に気づいているはずだが、敢えて見向かないようにしていた。(きっと、そんな表現が正しいのだろう)

「わがままを言ったら、自我を出したら、また同じことを繰り返してしまうのでは・・・」 正直、そんな不安が頭の片隅にあった。「今のままで十分でしょ」 つぶやくように自分に言い聞かせる吉田がいた。見ていて痛々しかったに違いない。


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吉木の作戦敢行

そんな吉田を、吉木は傍らで見守りながら、ある計画を考えていた。「そろそろいいかな」と思い、タイミングを見計らって、言葉を投げかけてみた。

「マラソン出てみたらどうだい?」

マラソンが中途半端な状態ではできないことを知っている吉田は(今の私には無理無理!という感じで)「まさか!」という表情を見せる。その返事は、予想通りとばかりに、吉木は、用意していた次の提案を口にしてみる。

「ソウル国際マラソンに出てみないか?」「俺は、10kmを走る」「そうだ!ツアーを組んで、みんなでソウル旅行だ!」そう言って、吉田の背中を押した。海外ならば、気持ちが楽だろうし、みんなで旅行となれば、なおさらだ。「この提案を快諾してくれ」吉木は心の中で願った。


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作戦を快諾する背景

実は、ソウル国際マラソンに、吉木は15年連続で参加してきている。それもフルマラソンで。「今回は、フルマラソンを走らない。かおりくんのサポートに徹する」と決めた吉木は、「自分が走ることよりも、吉田が走ることに価値がある」と思って、連続出場記録は諦めた。そのサポートとは、吉田の応援団を結成することだった。だからこその、ソウル国際マラソンツアーの企画である。

吉田は、吉木の配慮を感じ、出場を決めた。

ソウルという目標に向かって過ごす日々が始まる。渡り鳥トレーニングを継続しながら、マラソンの準備を進めていった。

そんな時に、各ランニングクラブに所属するメンバーが送った"吉田への応援メッセージ" である「ランナーズパルスの大きな旗に記された多くの寄せ書き」を渡された。頑張ろうとする吉田を励まそうと吉木がこっそりと準備した代物である。「私、期待されてるかも」と、吉田の心が踊り出す。


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「勇気を振り絞って挑戦してみよう」と思った。

それは「恐れる心を沈み込め、全てを愛し続けよう」とする吉田の勇気ある一歩であった。(その訳は、次号 ② で)

-続く-

<第6話> ① 吉木の作戦② 暗雲が晴れるとき


<第1話>から読む

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