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弛むことなき旅路の果て 吉田香織に送るレクイエム③

yoshiada_title_1.jpg<第2話>始まり②~主演のステージ~


人が人を呼ぶ

吉田は、仕事として、ランナーとして、時には、素の自分を表現するために、ブログを頻繁に書いている。さらには、Facebook で積極的に発信し、空いた時間を使って、友達の投稿をチェックしては「いいね!」を押し、コメントする。このマメさには脱帽する。

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(イベントの内容も面白いが)そんな努力があるから、吉田が企画するイベントには、毎回、多くのランナーが参加してくる。そのイベントの最後には、必ず懇親会を開催する。もちろん、セッティングするのも彼女だ。
こうした努力が人を呼び寄せるわけで、彼女のFacebookの投稿には、何百もの「いいね!」が短時間に累積されるほどの人気を誇るのもうなずける。

いや、努力の賜物だけではないかもしれない。そこには、吉田香織の人柄が影響しているのではないか。吉田が有する持ち前の明るさと聡明さには、他人の心を掴む"人力"がある。愛くるしい笑顔に加えて、光を放つ大きな瞳。さらには、よく通る甲高い声を発する34歳の吉田には、少女の面影を残したまま大人になった雰囲気が備わる。ちょっと不思議な感じがする女性だ。

3つの顔を持つ女

そんな彼女が、ひとたび走り出すと、豪快な動きで駆け抜ける男勝りのランニングフォームを披露する。速い男性ランナーに混ざって走っても、何ら違和感がないのだ。常に先頭を走りたがる勝気な性格も相まって、先入観とのギャップに、皆が一様に驚きを隠せない。

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皆で集まってお酒を飲むのを好む吉田は、「仕事人」「ランナー」「酒飲み」この3つの顔を持つことになる。『天真爛漫』という言葉が似合いそうな雰囲気を醸し出すほど、自由気ままに生きているかのよう。まったく影が見えないのだ。それどころか「キラキラした大きな瞳から光を発し、人々の影を明るく照らしているのではないか」とさえ感じる。吉木が用意したステージで観客を魅了する主演女優とばかりに。

「実は、こんな人物像を作り出す術を知り、計算していたりして・・・」なんて憶測をしたらファンに怒られるかもしれないが、それくらい出来過ぎ感がある。ちょっと褒め過ぎたが、「吉田の過去を探るとその答えがあるはずだ」何となくそう感じた。

マラソンには人としての力が要る

「苦節〇〇年」という言葉、吉田に当てはまりそうだ。19歳で実業団スポーツ(=プロの世界)に飛び込んで14年、創芸社で仕事を任されて1年が過ぎた。それを乗り越えた"今"になって、「オリンピック代表選考会という大舞台での好走」である。苦難の人生で蓄えた"人間力"を発揮したのでないか。そう思えてならない。

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「マラソンは人生そのもの」「マラソンは人間力の勝負」なんて言葉がささやかれるほど、人としての経験値も能力にカウントされる厳しい競技。それは勿論、レースだけを指していない。「己を叱咤激励し、場合によっては、己を抑え込むセルフコントロール」と「取り巻く人と環境のコントロール」が1年を通して必要なのだ。

『自立と自律』これ無くしてマラソンでの成功はありえない。成功したとしても長続きしない。この両方の「じりつ」を兼ね備えたからこその「15年目の好走」なのだと思う。34歳にして、さいたま国際マラソンの難コースで樹立する自己新記録がそれを証明している。

ステージに立った主演女優

天才少女が渡り鳥人生の15年を経て、本当の意味で「じりつ」し、自分自身を表現できる場所に降り立った。自分らしく生きることができる場所だったからこそ、折れていた心と翼を癒すことができたのだろう。

社長が用意してくれた「役」と「ステージ」確保される「稽古時間」共に演じてくれる「役者仲間」演技に期待する「観客」声援を送る「ファン」がいるからこそ、主演の吉田は輝きを取り戻す。

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吉田を応援したい人がたくさんいる。応援してくれる人がいるから、吉田は頑張ることができる。そこに存在したのは、互いに"呼応する心"だ。

6度目のステージで繰り広げられる"奇跡の1年"は、こんな具合に始まっていった。

-続く-

<第3話> 飛ぶほどに傷つく心と翼


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